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東日本大震災で全村避難を経験した飯舘村は、ふるさとの再生へ、総力戦で一つひとつの課題に向き合ってきました。その道のりに想いを寄せ、あるいは新たな可能性を見出して、色とりどりの活動を展開してきたのが地域おこし協力隊の皆さんです。
「つなぐNOTE」は、地域おこし協力隊の隊員の皆さんの視点から、それぞれの活動の軌跡と飯舘村での暮らしについてお伝えします。
東日本大震災で全村避難を経験した飯舘村は、ふるさとの再生へ、総力戦で一つひとつの課題に向き合ってきました。その道のりに想いを寄せ、あるいは新たな可能性を見出して、色とりどりの活動を展開しているのが地域おこし協力隊の皆さんです。
今回は、企業雇用型地域おこし協力隊として「あがべご訪問看護ステーション」で看護師として働く小泉涼花さんにお話を伺いました。就任は令和7年4月。協力隊を目指した時のこと、現在の活動の様子、飯舘暮らしの魅力などについて、語っていただきました。
小泉さんが地域おこし協力隊になった訳
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福島市で生まれ、看護の専門学校を卒業した後、附属病院で3年間、老人ホームで9か月ほど働きました。看護師を志したきっかけは、小学生の頃の入院体験です。水分量の制限などつらい治療もありましたが、その中で看護師さんたちが心の支えになってくれました。「私も誰かを支える看護師になりたい」と思ったのが原点です。
飯舘村の地域おこし協力隊に興味をもったきっかけは、当時は結婚前だったパートナーの小泉悠さんが協力隊に応募したことでした。
彼は元々工場で働き、丁寧なものづくりが得意。器用で、もっと能力を活かせる仕事があるのではと思い、一緒に求人を探していました。
その中で見つけたのが「飯舘村の刃物職人(地域おこし協力隊)」の募集。包丁が好きだった彼に紹介し、3回ほど村へ訪れた後、無事採用が決まりました。
彼の就職をきっかけに、私も飯舘村での仕事を探し始めました。そのとき、彼の勤務先である二瓶さんから、現在働いている「あがべご訪問看護ステーション」を紹介していただきました。
もともと訪問看護には興味がありました。病院では一人ひとりに十分な時間を割けないことが多いですが、訪問看護なら、その人に合った看護をじっくり考え、提供できます。人と密に接する分、コミュニケーション能力が必要です。そこに不安がないわけではありませんでしたが、「村で暮らす新しい環境で挑戦してみたい」と、就職を決意しました。
利用者様一人一人にあった看護を考えていきたい
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一日に2~4件を一人で訪問していますが、慣れないことも多いため先輩と同行して訪問する日もあります。1件につき30分〜1時間程度、血圧・脈拍・酸素の測定や状態観察、状態に合わせて足浴や手のケア、洗髪などの清潔ケア、健康相談などを行っています。病院時代と違い、じっくり向き合える時間があることは大きな魅力です。
今の課題は、コミュニケーション力とアセスメント能力。「この利用者様はどのような人なのだろう?」とその人の生活や価値観を知る努力をし、「この利用者様に必要な看護とは何だろう?」と考える力を日々磨いています。訪問看護を通して、人としても成長させて頂けていると感じます。利用者様と向き合えること、自分の課題に気づけること、考える力がつくこと…、それらすべてがやりがいです。
あがべご訪問看護ステーションの第二の拠点「ぽ~ぽ家(ぽ~ぽい)※(注)」では、私たちが企画するイベントをほぼ毎月開催しています。ご高齢の方から子どもまで、多世代が集まる交流の場になっており、毎回10〜30名の方が参加してくださいます。これからも村での“生きがい”につながる場所づくりに力を注いでいきたいです。
※(注)「ぽーぽい」…暖かい、温もりの意
暮らして感じる飯舘村のこと
初めて訪れたときは「スーパーがないんだな」と思った程度で、大きなギャップはありませんでした。もともと同じ福島県南にある矢吹町に住んでいたことも影響しているかもしれません。
今はスーパーのような品揃えのドラッグストアもできて、特に不自由は感じていません。飯舘村の静かな環境は、私の趣味であるアコースティックギターを弾くにもぴったり。気兼ねなく音を出せるのが嬉しいです。
また、村の夏は涼しく、とても過ごしやすいところも気に入っています。3匹の猫を飼っており、車が少なく静かなため、猫たちも安心してのびのびと生活することができています。
これからも村の暮らしをたのしんでいきたいと思っています。
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飯舘村地域おこし協力隊になろう!
飯舘村は、小泉さんのように「企業雇用型地域おこし協力隊」を募集しています。任期は3年間。募集の詳細については、下記フォームよりお問い合わせください。