菊池製作所は、東京都⼋王⼦市に本社を置く「総合ものづくり⽀援企業」で
す。
⾦型製作や⾦属‧プラスチックの成形加⼯に⾼い技術⼒を持ち、⼤⼿メーカ
ーや⼤学などと協業‧連携してドローンやロボットなど先端分野の製品開発と⽣
産に取り組んできました。
海外を含む15カ所に⽣産拠点を展開していますが、中でも重要な役割を果
たしているのが飯舘村の第1〜7⼯場です。新たな成⻑へ向け、村で働く⼈材
を求めています。
創業は昭和45年。飯舘村から集団就職で上京した菊池功社⻑が同社を⽴ち
上げました。「過疎に悩む故郷に、若者が働ける場を作りたい」との思いから
飯舘村での⼯場⽴地に踏み切ったそうです。実質的には地元企業といっていい
でしょう。
平成23年3⽉に発⽣した福島第1原発事故により、村は計画的避難区域に
指定され、住⺠は6年間の全村避難を余儀なくされました。しかし、同社は特
別な許可を得て操業を継続。200⼈ほどいた社員が、避難指⽰の1週間後に
は全員出勤したそうです。そんなエピソードからも地元への思いの強さが伝わ
ってきます。⽇本の中⼩製造企業の多くは⼤企業の下請けで受け⾝の経営にな
りがちですが、菊池製作所は違います。多くの⼤企業がグローバル化に伴って
⽣産拠点を海外へ移す中、⾼い先⾒性を発揮して独⾃の成⻑分野を切り開いて
きました。
例えば、飲⾷店で普及が進む配膳ロボット、作業者の筋⼒を補い重い荷物の
運搬などを助けるマッスルスーツなど。新型コロナウイルスの流⾏で⼀気に需
要が拡⼤した酸素濃縮器も、コロナ流⾏のかなり前から⼿がけてきたそうで
す。その多くは東⼤、東北⼤、早稲⽥⼤などとの産学連携の成果でもありま
す。現在、飯舘村で働く社員は約120⼈。七つの⼯場内には最新鋭の⼯作機
械が並び、明るく清潔な雰囲気です。
作られる製品はさまざまで顧客(発注企業)も多岐に渡るため、社員の仕事
内容は⼀⼈⼀⼈⼤きく違います。試作が中⼼なので、特定の製品を⼤量⽣産す
る⼯場より、個⼈の創意⼯夫が⽣かされる職場と⾔えるでしょう。「昔は『仕
事は⾒て覚えろ』と⾔われ、今ならパワハラと⾔われそうなこともありました
が、現在は違います。新しいものを作る現場はコミュニケーションが何より⼤
切。『みんなでいいものを作っていこう』という姿勢で取り組んでいます。技能
や経験は問いません」と、執⾏役員で製造本部⻑の齋藤政宏さんは強調しま
す。
事務を担当する30代の⼥性にも話を聞きました。地元出⾝の彼⼥は⾼校卒
業とともに同社に就職し、原発事故後に同じ社内の男性と結婚したそうです。
「優しい⼈が多くて働きやすい職場だと思います。できれば同世代の⼈が来て
くれたらうれしいですね」と話してくれました。
さまざまな社会課題に技術とチームワークで答えを出す菊池製作所。明⽇へ
の夢を⼀緒に追う仲間を、飯舘村で待っています。
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株式会社菊池製作所
本 社/東京都⼋王⼦市美⼭町2161-21
T E L 042-649-5921
福島営業所/福島県相⾺郡飯舘村草野字向押25-1
T E L 0244-42-0913(代表)