2024.07.28
【ミチシル旅レポートvol.3】7/27-28子育てわくわくミチシル旅「子どもは村の宝。魅力的な環境を知る旅」
豊かな自然と田舎ならではの丁寧なくらし”までいライフ”を実践する飯舘村で、7月27日・28日の2日間に、移住検討者向けツアー「ミチシル旅」が行われました。今回は「子育てわくわくミチシル旅第1弾」として、子育て世帯のご家族と共に村の充実した子育て環境を見学・体験してきました!
【行程一覧】
1日目
[11:00] 福島駅集合・出発
[12:00] そば打ち体験&クッキー作り体験・昼食・オリエンテーション
[13:30] 『飯舘村立いいたて希望の里学園』見学
[15:00] 『笠石子ども農園』で夏野菜の収穫体験
[16:00] 農業研修館『きらり』へチェックイン
[18:30] 『はやま湖まつり』で花火鑑賞
[20:00] 宿泊体験館『きこり』にて就寝
2日目
[8:00] エムケーファーム菊野里絵さんの朝食
[9:00] 子育て支援センター見学
[10:00] 『いいたて村の道の駅までい館』で買い物
[11:00] 移住サポートセンター『3ど°』スタッフによる移住相談会
[12:00] 『村カフェ753』のベーグルやスープを囲んで昼食・振り返りアンケート
[14:00] 飯舘村出発
[15:00] 福島駅着・解散
【1日目】
午前11時半すぎ、関東圏や仙台方面から集合場所である『もりの駅まごころ』に、みなさん続々集まってきました。今回は子育て世帯向けツアーということもあって、到着早々に子どもたちの元気な声が聞こえてきました。参加者は0歳から9歳の子どもたちとお母さん、お父さん。「これから何やるの?」と興味津々な子どもたち。さて今回はどんなツアーになるのでしょうか!?
ようこそ自然豊かな飯舘村へ!
まずは村民のみなさんとワイワイそば切り体験&クッキー作り
早速はじめに、みんなで楽しくお昼ご飯の準備から。二手に別れて、大人チームはそば切り体験、子どもチームはクッキー作りに挑戦です。
そばの先生は、そば打ち歴25年の佐藤英信さん。ご自身も村にUターンし、今は村産そば粉で毎朝そばを打って道の駅に卸しています。英信さんの指導のもと、専用の包丁で細く切っていきます。「実際やってみると難しい!」「先生のようになかなか細く切れない」と参加者の皆さん。職人のすごい技術を体感すると共に、あれこれとコツを教えてもらいながら挑戦しているうちに、スタッフや参加者の距離も一気に縮みました。
一方、子どもチームはベーグルカフェ『村カフェ753 (なごみ)』の田中久美子さんに教えてもらいながらクッキー作り。今回は子どもたちに楽しんでもらいたいと、特別にまごころ運営協議会のみなさんが思いを込めて企画したものです。生地を好きな形に整えて、飯舘村で採れたブルーベリーやイチゴを飾りつけていきます。田中さんが優しく教えてくれるので、子どもたちもすっかり打ち解けてたちまち賑やかになりました。
さてお待ちかねの昼食タイムです。テーブルの上には、鴨南蛮そばや盛りそば、今朝収穫したばかりのインゲンの天ぷらやかき揚げ、漬物に卵焼きなどがズラリと並びました。子どもたちは、いただきますと同時に、勢いよくそばを頬張ります。「おいしい!」「これお父さんが切ったそば?太いけど、おいしい!」。普段、野菜が苦手なんて嘘のよう。お父さんたちも自分で切った思い出深いそばに笑みが溢れます。その姿にお母さんたちも嬉しそうです。焼き上がったクッキーも子どもたちに大好評でした。今回のツアーでは、”素敵なもの集め企画”として村内を巡りながら、”素敵”をカゴにたくさん集めてもらいますが、まずはクッキーがその1つになりました。
村唯一の義務教育学校で手厚い教育環境を実際に目で見て肌で感じてみよう
さてお次は、村唯一で義務教育学校の『飯舘村立いいたて希望の里学園』へ。教育委員会の高橋政彦課長の案内で村の充実した教育環境を見学します。広々とした園庭から1歩校内へ入ると、木材がふんだんに使われていて、ぬくもり溢れる空間が迎え入れてくれました。前期課程1年生から後期課程9年生まで一緒に学ぶことができる義務教育学校。通常の授業の他に「いいたて学」という授業もあり、村内探検、田植え、稲刈りなど地域の人と触れ合いながら実践を通して、全学年で村の自然や伝統文化を学び伝えています。制服や運動着の無料配付、さらに教材や給食も無料など、子どもたちが不自由なく学べる環境を用意しています。
「将来の希望ある子どもたちは村の宝。」と高橋課長。教育にかかる費用が無料でありながらも、専門の先生が教えてくれる教科担任制を採用しています。少人数なので先生の目も一人ひとりに行き届く教育環境に、親御さんたちも興味津々。「高学年の教室内に更衣室があるのはうれしい!」「学童も併設していて全てがここにまとまっているのが安心」「何より学費が無料なのは助かります」と参加者は感心していました。
続いて併設している『までいの里のこども園』の見学へ。ここは0歳から入園可能。子どもたちがのびのびと遊べるホールも完備され、参加者のお子さんたちもついつい遊び出してしまうほど、ワクワクするものが散りばめられていました。参加者からも「病児保育はやっていますか?」「給食はアレルギー対応していますか?」など具体的な質問も飛び交いました。
子どもが主役!地域の人と触れ合いながら味わう収穫の喜び
次に一行が向かったのは『笠石子ども農園』。子育て世帯が多く入居する村営笠石住宅のすぐ近くに子どもと一緒に農作業体験ができる畑があります。この畑を管理しているガキさんこと大垣内さんが、自然農法で育てた野菜の収穫の仕方を教えてくれました。笠石住宅に住んでいる子育て世帯の村松さん親子も来てくれて、みんなで収穫します。
野菜を見つけてはキラキラした表情で収穫していく子どもたち。その様子を見守りながら「住宅の広さはどのくらいですか?」「お隣さんとの交流は?」などお母さん同士も会話が弾んでいました。「全ての種はものすごいパワーを持っているので、その力を利用して野菜作りに取り組んでいます。子どもたちにも農業体験を通して感じてもらえたら」と話すガキさん。村での暮らしに農業はとても身近な存在。ガキさんのような地域の人たちも一緒に子どもたちを見守ってくれていることを知ることができました。
収穫に汗を流した後は、三瓶政美さんのご自宅で奥様のたつ子さん特製のしそジュースをいただきました。キレイな赤色のジュースに子どもたちも釘付け!「おいしい!」「もっと飲みたい!」と、さっぱりとゴクゴク飲めちゃう味わいに大満足の様子でした。ここでも温かいおもてなしに村のみなさんの心を感じます。
村の子育て世代の暮らしを実際に体験できたところで、今回の宿『農業研修館きらり』へチェックイン。新規就農者技術習得管理施設として、農業研修期間中にファミリーで過ごすことを想定して作られた施設に泊まります。清潔感溢れる館内には、客室5部屋に加え、研修室やキッチン、洗濯室などを完備。充実の設備に子どもたちも「すごい!広くてキレイ!」と大興奮。「ビジネスホテルよりも快適かも知れない。これは期待以上です」との参加者の声も。
夏の夜を彩る湖畔の花火大会!地域の伝統芸能も堪能
さて、この日のラストを飾るのは飯舘村大倉の「はやま湖」で行われる花火大会へ。バスに揺られて約30分。会場に到着したら、まず、村にUターンした『La kasse(ラカッセ)』の若きシェフ・佐藤雄紀さんが用意してくれた特製のバーガーセットをいただきました。特産のエゴマを練り込んだバンズに、飯舘村産のジューシーな和牛をたっぷり挟んだバーガーは食べ応え満点!
祭りでは大倉地区の伝統芸能・神楽の舞が披露され、花火が打ち上がりました。間近に打ち上がる幻想的な花火に子どもも大人も時を忘れて、うっとり。この夏の心に残る思い出になったことでしょう。
【2日目】
2日目のスタートは菊野里絵さんのおにぎり朝定食。菊野さんは、自らも東京から移り住んだ移住者の1人。農業法人エムケーファームを経営しながら、時に畑に立ったり、野菜を使った商品開発をしたり、村のイベントに参加したりと、パワフルに活動している村民です。
今回は菊野さんの農園で採れた米を使ったおにぎりや、今が旬のトマトの味噌汁、飯舘村産の野菜を使ったおかずの数々を用意。キュウリの一本漬けは『もりの駅まごころ』を利用して加工したものなのだそう。参加者のみなさんも「ご飯がとってもおいしい!」とおにぎりを頬張っていました。菊野さんの畑では地域おこし協力隊を積極的に採用中。「個性豊かな人材がこの村に集まってきていて、さらに面白くなってきています」と菊野さん。農業や、昨日の祭りの話で参加者のみなさんと交流を深めていました。
木のぬくもり溢れる子育て環境で大人も子どももリフレッシュ
さて、お腹を満たしたところで本日最初の目的地、『飯舘村子育て支援センター』へ。就学前の子どもたちの育児をサポートしてくれる場所です。2011年にオープンする予定でしたが、震災やコロナ禍で延期され、2023年7月にオープンしました。館内は県産木材の木のぬくもりが溢れ、木の滑り台や木のボールがたくさん入ったプールなど遊具も設置されています。「子どもも大人もぜひ試してみてください」と村健康福祉課福祉係の佐藤こずえ係長。
木の手触りや重さ、ポロンポロンと混ざる音を体感してリラックス。子どもたちも木のおもちゃに夢中になって遊んでいました。現在は月1回ほどのオープンですが、今後は子どもの検診やベビーマッサージの会場としても活用を進めたいのだそう。「村外在住でも利用できるので村の広報などをチェックして、ぜひまた遊びに来てください」と佐藤係長。また、支援センターの向かい側には村営住宅もあり「住んでいる場所の近くにサポートしてくれる場所があるのは心強い」と参加者。村では、この支援センターを含め、出産祝い金や子育て応援支援金など、子育て環境や支援が充実。子育て世帯が安心して暮らすことができるように様々な取り組みを実施していることが分かりました。
さて、お次はお買い物タイム。村の中心部に位置する『いいたて村の道の駅までい館』には、村の新鮮野菜や花卉、加工品が所狭しと並んでいます。周辺には、公園やドッグラン、屋内運動施設の秘密基地『どきどき』など、子どもが遊べるスポットもたくさん。土日は特に家族連れで賑わいます。参加者のみなさんからも「新鮮な野菜がいっぱい!」「あ、これは農業体験させてもらった三瓶さんところのエゴマだ、家でエゴマみそ作ってみよう」などの声が。子どもたちには農業体験で収穫したトマトが人気のようでした。
村内外の人々が交流するスペースで移住相談会&旅の振り返り
やさしい味のベーグルとスープがお腹も心も満たす
楽しいお買い物のあとは、今回の旅の最後の目的地・移住サポートセンター『3ど°』へ。まずは相談員スタッフ・礒干聡子さんが移住の観点から、子育てや教育環境など含めて飯舘村の特徴をご紹介。『3ど°』では移住の相談はもちろん、交流会を企画するなど、村内外の人と人をつなぐ活動を行っています。
個別相談では参加者から「来村のための交通費補助は、どんな場合が対象ですか」「村には病院が少ないようですが、緊急の際はどんな対応になりますか」など具体的な質問も飛び交いました。
さて、旅の最後の食事は『村カフェ753』の田中久美子さんのベーグルランチです。関東出身で元々は看護師として働いていた田中さん。震災後、訪問看護先として飯舘村に関わるようになり、以前から通っていた椏久里珈琲の村外移転をきっかけに「壊してしまうなら私が借りてお店をやりたい」とベーグルベーカリーをオープン。無添加と村産の食材にこだわり、おいしくて身体にもやさしいベーグル作りを心がけているのだそう。
初日も子どもたちに大人気だったクッキー作りに続いて再登場の田中さんに、子どもたちも大喜び。今回は飯舘村産のイチゴやブルーベリー、ねぎ、クリームチーズ、チョコチップなど各種ベーグルに加え『笠石子ども農園』で採れたジャガイモとトウモロコシのスープ、椏久里珈琲などをご用意いただきました。ふんわりモチモチのベーグルは子どもたちにも大好評で、あちらこちらから「おいしい!」の声が聞こえてきました。
食後は旅の締めくくり。今回のモニターツアーのアンケートと、旅で一人ひとりが出会った飯舘村の”素敵なもの”や感想を発表してもらいました。子どもたちはクッキー作りが人気。その他も「野菜を採ったり、いっぱい遊んで楽しかった!」と満足そう。一方親御さんたちは、「正直、こんなに面白いところだとは思っていなかったので、いいものや素敵な人がたくさんいて期待を超える旅だった」「もし田舎移住を本格的に考える時が来たら、飯舘村も検討したい」「村のいろいろな子育て関連の施設で木のぬくもりを感じて、こんな環境で子育てしてみたいと思った」などの声が。自然の中で、補助など手厚い支援と充実の設備での子育て環境に魅力を感じていただけた様子。
また「子どもを連れてのツアー参加で不安もあったけれど対応してくれた村の人たちやスタッフのみなさんのおかげで、最初から最後まで楽しめました」と口々に感謝の言葉で溢れ、村の人の温かさも感じていただけたようです。子どもたち同士もすっかり打ち解けて仲良しに。親御さんからは「子どもだけで短期間、村で過ごす山村留学みたいなプランがあれば、ぜひ参加させたい」とのお話も寄せられました。
今回の「子育てわくわくミチシル旅 第1弾」は、飯舘村の人に出会い、子育て環境や暮らしを体験する2日間。私も子育て世代のご家族と一緒に同行してみて、木のぬくもり溢れる心地よい教育施設や多彩な遊び場、さらに充実した手厚い支援があり、子どもたちがびのびと学べる環境を肌で感じました。そして、子どもたちのための体験農園や学校行事で伝統文化の継承に取り組むなど、保護者以外の大人と関わる機会がたくさんあり、地域のみなさんに温かく見守られながら子どもたち一人ひとりが成長していける環境があると感じました。何より、参加した子どもたちやご家族のこの2日間の笑顔が村の子育て環境の良さを物語っていました。子どもを連れての移住は不安なことも多いと思いますが、補助金やサポートしてくれる場所や人を知ることで移住のハードルもぐっと下がると思います。まずは一度体験してみてください!